ご納品前の大事な加工!仕上げ・プレス・たたみ
「仕上げ」をご紹介します。
仕上げとは?
着物のお手入れをご依頼されるお客様から時折、「着物のお手入れは高い」というお声をいただくことがございます。
前に「生洗い」の工程を紹介させてもらいました。
急所を馬の毛で出来たブラシで丁寧に洗うなど、それなりの工程を経ているのですが「生洗い」には、今回紹介する「仕上げ」と「たたみ」も含まれています。
まずは「仕上げ」の工程を動画で紹介!
「仕上げ」に使うアイテムの紹介
仕上げにはスチームアイロンを使用しております。
スチームの温度は170℃前後で設定し、正絹に最適な温度を保つようにしています。
アイロン台はひと目ではわかりませんが、台の下にバキュームが設置されていて余計なスチームを台全体で吸引する仕組みになっています。
実はアイロンは着物に触れていない!?
そうなんです。
表地はアイロンが触れてしまうと「アタリ」といってアイロンがけをした跡のようなものが着物に残ることがあるので、アイロンの熱とスチームが着物に伝わりシワも落ち着くギリギリのところでアイロンがけを行っています。
また、金彩加工が施されている着物は熱に弱いので同様にアイロンが直接触れないよう工夫しています。
「たたみ」をご紹介します。
我々がお客様の着物を見るのはココが最後!
たとう紙に収めて、お客様の手元に届くまでの大切な工程になります。
「たたみ」に使うアイテムを紹介
細かいシワを取ったり、着物加工には欠かせない電気鏝(コテ)
当社では写真のタキイ電化鏝(コテ)を使用しています。
コテは着物のお手入れで細かいシワを取ったり、仕立てでは折り目を付けたりと活躍の場面が多いアイテムです。
しかし、タキイ電器さんは2018年でコテの生産を中止され、販売は在庫のみということになっています。
アイロンで代替が出来ないこともないですが、表面に丸みがあるので細かい折り目つけられたり、高温なのでしっかりとした跡を付けられるなど加工に適しているところが多いです。
着物業界は職人や跡継ぎの後継者不足が騒がれている一方で、電気コテや湯のし機のような和装道具や機械の生産中止も大きな問題のひとつとなっています。
着物お手入れが町のクリーニング屋さんより高い理由
冒頭で述べた、「着物のお手入れは高い」理由が伝わりましたでしょうか。
「洗って終わり」「直して終わり」ではなく「仕上げ」や「たたみ」という最終工程を経て、キレイな状態でお客様の手元に届くようにしております。